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人生に残されている喜び。

詩人、中原中也はははじめてであった人に必ず同じ質問をした。

「バッハのパッサカリアを聞いたことがあるかい?」

聞いたことがない人がいれば彼は心の底から羨ましそうな顔をして、

「あんなにも素晴らしいものに出会える喜びが残されている君が羨ましい」

と語ったそうです。
また来ん春 寿福寺(tetujin's blogより)

そんなブログを読んで、パッサカリアを聴いてみました。
パッサカリアとフーガ ハ短調(Passacaglia und Fuga c-moll)BWV582は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが1710年頃(ヴァイマール時代)に作曲したと推定されるオルガン曲。
聴いたあと、あまりの素晴らしさと、出会いの喜びが去ったことに気づき、泣きそうになりました。
本日は一気に下の三つを聴きましたがどれも名録音ですのでもし「あんなにも素晴らしいものに出会える喜びが残されている」のなら、聴いてみてください。
もちろん聴いた事がある方もどうぞ。



最後の一音が切れていて本当に残念ですがすごい録音だと思います。



こちらはヘルムート・ヴァルヒャ(Helmut Walcha, 1907年10月27日 ライプツィヒ – 1991年8月11日 )の演奏。
幼い頃に天然痘に罹った結果、視力を奪われ、失明後は母親によって、結婚してからは夫人によって、左右の手(と、オルガンの場合は足鍵盤)のパートをそれぞれ別個に演奏してもらい、それぞれを絶対音感によってしっかり記憶に焼き付けてから一つの楽曲へとまとめ上げたという。バッハの鍵盤作品は40歳頃までに異稿まで暗記したと伝わる。
バッハのオルガン曲全曲録音を2度にわたり完成した。

ちなみに中原中也が聴いたと言われているのはストコフスキー編曲の管弦楽版で、友人達によくレコードを聴かせていたそうです。


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